特に近年は、生成AIの普及により文章の品質が向上し、従来のように「日本語が不自然だから気づける」という時代ではなくなりました。
この記事では、

  • どんなフィッシングメールが実際に多いのか
  • 訓練メールはどんな内容にすべきか
  • Microsoft 365 を使っている企業が簡単に訓練を実施する方法

をまとめて紹介します。


人事関連のフィッシングが最も多い理由

多くのセキュリティベンダーのレポートで共通しているのが、
「人事(HR)関連のフィッシングが最もクリックされやすい」
という傾向です。

理由はシンプルで、

  • 給与
  • 評価
  • 勤怠
  • 福利厚生
  • 社内異動

など、従業員にとって関心が高いテーマが多いからです。

特に以下のような件名は、実際の攻撃でも高い成功率が報告されています。

  • 「給与明細の確認が必要です」
  • 「人事評価のフィードバックが届いています」
  • 「勤怠修正のお願い」
  • 「福利厚生ポイントの期限が迫っています」

従業員が“つい開いてしまう”心理を突いた攻撃が多いため、
訓練でも HR 系のシナリオは必須 と言えます。


訓練に使えるフィッシングメールのサンプル

以下は、実際の攻撃傾向を踏まえた訓練用のサンプルです。
そのまま使っても、少しアレンジしてもOKです。


① 人事(HR)系:給与明細通知(最も成功率が高い)

件名:【重要】今月の給与明細が公開されました
本文例:

今月の給与明細が人事システムに公開されました。
内容をご確認のうえ、問題がある場合は 3 日以内に人事部までご連絡ください。

▼給与明細を確認する
hxxps://example[.]com/payroll/secure-login


② 勤怠・シフト系:修正依頼

件名:【勤怠システム】打刻漏れの可能性があります
本文例:

システムが打刻漏れを検知しました。
以下のリンクから修正をお願いします。

▼勤怠修正画面
hxxps://example[.]com/attendance/fix


③ 経理系:請求書・支払い通知

件名:【至急】未処理の請求書があります
本文例:

経理システムに未処理の請求書が 1 件あります。
支払い期限が近いため、確認をお願いします。

▼請求書を確認する
hxxps://example[.]com/invoice/view


④ IT サポート系:パスワード期限切れ通知

件名:【システム通知】パスワードの有効期限が切れます
本文例:

あなたのアカウントのパスワードが 24 時間以内に期限切れとなります。
以下のリンクから更新してください。

▼パスワードを更新する
hxxps://example[.]com/account/reset


⑤ 社内ツール系:アンケート・調査依頼

件名:【社内アンケート】働き方に関する調査のお願い
本文例:

働き方に関する社内アンケートを実施しています。
回答は 3 分程度で完了しますので、ご協力をお願いします。

▼アンケートに回答する
hxxps://example[.]com/survey


Microsoft 365 を使っているなら、訓練は Defender for Office 365 が最も簡単

Microsoft 365 を利用している企業であれば、
Defender for Office 365 の「攻撃シミュレーション訓練」 を使うのが圧倒的に簡単です。

特徴

  • クリック率や入力率などの詳細なレポートが自動で作成される
  • 実際の攻撃テンプレートが多数用意されている
  • 社員ごとのリスクスコアが可視化される
  • 訓練後の教育コンテンツも自動配信できる

特にテンプレートは、

  • 給与明細
  • パスワードリセット
  • 請求書通知

など、実際の攻撃で使われるテーマが揃っているため、
自社でメール文面を作らなくてもすぐに訓練が始められる のが大きなメリットです。


まとめ:訓練は「リアルさ」と「継続性」が鍵

効果的なフィッシング訓練のポイントは次の 3 つです。

  1. 実際に多い攻撃(特に人事系)をテーマにする
  2. 複数パターンをローテーションして継続的に実施する
  3. Microsoft 365 の攻撃シミュレーションを活用して効率化する

従業員の「気づく力」を育てるには、
リアルなシナリオを定期的に体験してもらうことが最も効果的 です。