近年、情報漏えい事故の多くは外部攻撃だけでなく、内部要因によって発生しています。
メールの誤送信、クラウドストレージへの不用意なアップロード、USBメモリの持ち出しなど、日常業務の延長線上で起こるケースが少なくありません。

こうしたリスクに対して有効な対策が DLP(Data Loss Prevention:データ損失防止) です。
本記事では、社内のセキュリティ担当者向けに、DLPの基本から導入・運用のポイントまでを整理します。

 

DLPとは何か

DLPとは、機密情報や重要データが、意図せず外部に漏えいすることを防ぐための仕組みです。
具体的には、以下のような情報を対象とします。

  • 個人情報(氏名、住所、マイナンバー、クレジットカード番号など)
  • 機密文書(設計資料、契約書、営業情報)
  • 社内限定情報(人事情報、財務データ)

DLPはこれらのデータを
「識別」→「監視」→「制御」
することで、漏えいリスクを低減します。

 

なぜDLPが重要なのか

1. 内部不正・過失はゼロにできない

どれだけ教育を行っても、人為的ミスやルール逸脱を完全に防ぐことは困難です。
DLPは**人の注意力に依存しない「最後の防波堤」**として機能します。

2. クラウド・リモートワーク時代への対応

Microsoft 365 や各種SaaSの普及により、データは社内ネットワークの外にも広がっています。
DLPはメール・クラウド・エンドポイントを横断して制御できる点が重要です。

3. コンプライアンス対応

個人情報保護法や業界ガイドラインへの対応としても、DLPは
技術的対策の中核を担います。

 

DLPの主な機能

データの識別

  • 正規表現(クレジットカード番号形式など)
  • キーワード・辞書
  • ファイル属性(ラベル、メタデータ)

監視・検知

  • メール送信時の添付ファイル検査
  • クラウドストレージへのアップロード監視
  • USBコピー、ローカル保存、印刷の検知

制御・対応

  • 送信ブロック/ユーザーへの警告表示

  • 管理者へのアラート通知

  • ログ取得と事後調査への活用

     

DLPの適用ポイント(どこで効かせるか)

DLPは「どこに適用するか」の設計が重要です。

  • メール:誤送信・外部共有対策の基本
  • クラウドストレージ:共有リンクや外部コラボレーションの制御
  • エンドポイント:USB、ローカル保存、印刷など
  • 業務アプリ:Teams、SharePoint、OneDrive など

特にMicrosoft 365環境ではMicrosoft Purview DLPを活用することで、 これらを統合的に管理できます。

 

導入時に陥りがちな失敗

いきなり「ブロック」から始めてしまう

最初から厳格な制御を行うと、業務影響が大きくなり反発を招きます。

  • まずは 監視のみ
  • 次に 警告表示
  • 最終的に ブロック

という段階的導入が現実的です。

ポリシーが現場実態と乖離している

セキュリティ担当者だけでポリシーを作ると、
現場の業務フローと合わないケースが多発します。

  • 業務部門との事前すり合わせ
  • トライアル期間での調整

が重要になります。

DLP運用のポイント

DLPは「導入」よりも「運用」が重要です。

  • 段階的な適用(監視 → 警告 → 制御)
  • 月次でのログレビューとポリシー見直し
  • インシデント時の対応フロー(CSIRT連携)の明確化
  • 利用者向けの教育・周知とセットで運用

DLPは入れて終わりの製品ではなく、改善を続ける仕組みです。

 

まとめ

DLPは、内部不正・操作ミス・クラウド活用拡大といった
現代の情報漏えいリスクに対して非常に有効な対策です。

重要なのは、

  • 技術だけでなく「業務」と「運用」を含めて設計すること
  • 段階的に成熟させていくこと

社内の情報資産を守るためにも、
DLPを現実的かつ継続的に活用できる仕組みとして定着させていきましょう。

Colorkrew SecurityではMicrosoft Purview DLPの導入から運用までサポート可能です。
Microsoft 365 ライセンスに含まれているけれども活用できていない、などのお悩みがある方は是非お気軽にご相談ください。