• ログが増えすぎて、月末にコストが跳ね上がる
  • でも、何を減らせばいいか分からない

そんな方に向けて、本記事では「Sentinelのコストを無理なく抑える3つの実践ポイント」を分かりやすく解説します。

1. Log Analytics課金の仕組みをおさらい

Sentinelは「Log Analytics」の上に成り立っており、主に以下の2点で料金が発生します。

項目課金単位
ログの取り込み量GB単位(従量課金)
ログの保存期間超過日数 × データ量

つまり、「入れすぎ・溜めすぎ」がコスト増加の原因です。

2. コスト削減ポイント1:不要なログを最初から入れない

Microsoft Sentinelでは、ログを取り込んだ瞬間から料金が発生します。
つまり、「あとで使うかも」と何でも入れていると、それだけでコストが増えてしまいます。

必要なログだけを選んで取り込むことで、無駄を防ぐことができます。

たとえば以下のようなケースがあります。

  • サーバーの「エラーだけ」取り込めば十分なのに、「情報レベル」まで入れている
  • Windowsの監視ログも、「セキュリティ関連」だけでいいのに「すべての種類」を集めている

こうしたケースは、最初の設定で取るログを絞っておくと、あとから削減するよりも楽になります。

設定方法としては、Azureポータルの診断設定などで、どのログを取得するかを選ぶことができます。

3. コスト削減ポイント2:テーブルごとに保持期間を短縮

Log Analyticsの既定の保持期間は90日です。
しかし、すべてのログを90日も保存する必要はありません。

たとえば、Heartbeat(死活監視)や Syslog などは14日で十分な場合もあります。
一方で、SecurityAlertSigninLogs のように監査や証跡として残すべきものは長めに保存する、というように使い分けましょう。

設定手順:

  1. Log Analyticsワークスペースを開く
  2. 「テーブル」一覧から対象を選択
  3. 「保持期間の構成」で日数を変更

4. コスト削減ポイント3:月次レポートで急増ログを見える化

ログの急増に早く気づければ、その月のうちに対処できます。

たとえば以下のようなクエリを使うことで、日ごとの取り込み量を把握できます。

Usage
| summarize DailyIngestGB = sum(Quantity) by bin(TimeGenerated, 1d)
| order by TimeGenerated desc

このクエリをワークブックに保存しておけば、ログ量の傾向を視覚的に把握できます。
さらに、Logic Appsと連携すれば、毎月通知を送るように自動化することも可能です。

5. まとめ:コストを抑える3つのステップ

  1. 不要なログを入れない -> 最初の設定で必要なログだけを選んで取り込む
  2. 保持期間を短くする -> テーブルごとに保持期間を見直し、短縮設定を行う
  3. 急増ログを見える化 -> 日次の取り込み量を定期的に確認し、早めの対応を心がける

セキュリティを強化しながら、無駄なコストはしっかり削減する。
そのためには、「見える化」と「事前の設計」がポイントです。

運用の最適化にお困りの場合は、Colorkrew Securityまでお気軽にご相談ください。